私の妄想は叶わず夫が出張から帰ってきた。ただいま、おかえり、お土産だよ、学校はどうだった?
子ども達の手前、通常のやり取りをした。話し合いは、子ども達が寝静まった後に静かに始まった。
夫:もう話もしたくないって感じ?
私:話し合わなきゃいけないことでしょう。話し合わずにやり過ごせると思ってるの?
夫:いや、そうじゃなくて。君の気持はどこに向いてるのかな・・・と・・・
私:出張中にしっかり考えてくるって言ってたでしょう?どういう考えに至ったの?
夫:いや・・俺は・・。
煮え切らない態度に私は、「私の希望はこれです。」と言って、離婚契約書の下書きを差し出した。
・夫婦関係なし
・貞操義務なし
・生活費の負担内訳を細かく指定
・1年更新
・不適切な契約解消には違約金
・10年後をめどに以下の条件で離婚
-慰謝料なし
-財産分与なし
-養育費-1人につき月額3万円、成年に達するまで
基本的には2度目に結んだ契約の内容だ。私の経済的負担が増え、夫は車を使用するたび使用料を私に支払うというヤツだ。
一時期は契約書だけじゃない、慰謝料も!などと息巻いていたが、改めて考えるとこの契約自体がかなりの好条件だ。セックスレスであることの罪悪感から解放され、嫁としての責務からも解放されるというのは上等だ。欲深くならずに、来年かもしれない離婚後の養育費の増額と期間延長だけを確保することにした。